仕事で革靴が必要なんだけど、どの種類がいいのかわからない。
ビジネスシーンに合った革靴を選びたい。
革靴と一言で言っても実は靴の種類に合った用途があります。
場違いな革靴を選んでしまい恥ずかしい思いをしたくないものです。
これを選んでおけば間違いないという革靴の種類とその理由を紹介していきます。
革靴選びで迷っている方や悩んでいる方はぜひ、続けてお読みください。
ビジネスシューズのつま先タイプはストレートチップが多い!?

実は革靴の種類に明確にビジネスしか使えないという定義はほぼありません。
ですので、ビジネスの場で相手に不快感を与えない靴を選ぶことが肝心です。
カジュアルすぎる色使いや、派手な見た目の靴はビジネスには適しません。
好みがありますのでどうしても履きたいカッコいい靴を見つけてしまうこともあると思います。
好きな靴は休日に履くこともできますので、ビジネスシューズ選びはプロ意識をもって選びましょう。
あなたの品格が上がるはずです。
最終的な判断基準は、あなたのお客様がその靴を見てどう思われるかを基準にしていただきたいと思います。
冠婚葬祭などフォーマルな場でも使用できるように1足はフォーマル度の高い
革靴を持っておくとビジネスシーンとフォーマルシーン両方で使えて便利ですよ。
実際に履かれているビジネスシューズを計測
集計の結果、最も多く選ばれている靴タイプはストレートチップ
インテックス大阪 2022年 第25回機械要素技術展で計測してみました。
そう、椅子に座って何やらメモしていたのは私です。
ビジネスマンが数多く集まる展示会でスーツ姿の方のみを目視で計測しましたのでUチップ、
Vチップ見分けが間に合わず、まとめてあります。
また、一人での目視で一度に計測できる人数に限りがありますので、
100%の精度では計測できていないことあらかじめご了承下さい。
ビジネスシューズを選ぶ上で、今は何が主流かの参考にはなると思います。
つま先の形状 | 数 | 割合 |
ストレートチップ | 80 | 44% |
プレーン | 33 | 18% |
U/Vチップ&スワールモカシン | 48 | 26% |
ブローグ | 2 | 1% |
スニーカー | 20 | 11% |
その他の項目はカラーと材質、モンクストラップ(シングル&ダブル)の有り無しです。
上記のつま先の形の総数183足の内の茶色、スゥェード、モンクストラップの数です。
その他項目 | 数 | 割合 |
茶色 | 31 | 17% |
スゥェード | 4 | 2% |
モンクストラップ | 6 | 3% |
革靴のパーツと名称を確認しておきましょう。

革靴を見ていて『羽根』『コバ』など意味不明な用語に出会ったことはありませんか?
ここでは、つま先の形状の種類と革靴の種類、
パーツごとの名称をサクッと説明していきます。
革靴を選ぶときやケアするときに『えっ!?』とならないよう
優先順位の高いものをピックアップして説明していきます。
アッパー
靴の足の甲を覆う部分、ソール(靴底)以外の部分を総称してアッパーと呼びます。
靴の見た目やバランス、ディティールなどメーカにより違いがあります。
これからお気に入りの1足を見つけ出してください。
①ヒール
かかとの部分の事です。
摩耗しやすい場所になりますので定期的に張替も行います。
履くときは靴ベラを使用し、脱ぐときはひもを緩めて手を使い脱ぐなど
日ごろの小さな心がけで長持ちさせ事もできます。
②羽根
靴の紐が取り付けられるパーツ。
主に「内羽根式」と「外羽根式」「サイド式」があります。
履きごごちに影響をあたえますので見た目と履いている時間を考慮して選びましょう。
③タン
ベロとも呼ばれ、足の甲を包むとともに靴内へのほこりの侵入を防ぐ役目があります。
お手入れする時はケアを怠りがちですがタンもケアしてあげてくださいね。
④ライニング
アッパーの裏側につける革の事です。
アッパーの補強や履き心地を良くする役目があります。
⑤トゥ(トゥキャップ)
つま先の事です。
補強や装飾で別の革で覆われている場合はトゥキャップとも呼ばれます。
つま先の形状やデザインなどいくつか種類があります。
相手からは一番よく見られる部分です。
⑥コバ
ソールの外側の部分の事です。
ソールとアッパーを縫い付けている場所でもあります。
長く使っていると意外にもせてきたり、色が落ちてきます。
コバがきれいだと靴の見た目が引き締まります。
コバも1ヶ月に1回は確認しましょう。
⑦ソール
靴底の事です。
コバもソールの一部です。
ソールはラバーソールとゴムソールの2種類が主流です。
すり減ってきたらメンテナンスで取り換えなどもできますよ。
TPOに合ったメンズ革靴の種類と特徴
気お付けて頂きたいことはアッパーのデザインだけでは
フォーマル用、ビジネス用、カジュアルなどを正式に分けきることはできません。
革靴には穴飾りやエナメル加工など見た目に関わる装飾も複数ありますので、
靴全体を見て適正な使用場所を判断しましょう。
※フォーマル度に関しては諸説ありますので参考程度とお考え下さい。
プレーントゥ

+外羽根式
つま先に装飾などが無いシンプルなデザインです。外羽根式は紐を通す部分が甲の上に載っており、中央部で左右に開くことができるので脱ぎは気がしやすいのが特徴です。足の甲が高い人でも合わせやすく日本人には合いやすい靴の種類です。ビジネスからカジュアルまで使えて手入れもしやすいので1足目の革靴にオススメです。
フォーマル ☆☆☆ 中間
着用時間 ☆☆☆☆☆ 長時間に強い
+内羽根式
外羽根式と違い紐を通す部分がアッパーと一体化しています。羽根を大きく開くことができないのでフィット感の調整は外羽根式程柔軟に行えません。履いているうちに革がなじんできてフィット感が出てきますので、初めのうちは気持ちきつめの方が履きなれてからフィット感が出やすいです。外羽根式よりもよりフォーマルな用途で使用されます。
フォーマル ☆☆☆☆☆ フォーマル度高い
着用時間 ☆☆☆ 長時間可
ストレートチップ

トゥの部分が別パーツになっており、ほぼ直線の縫い目で縫い合わせれたスタイル。このパーツをトゥキャップと呼ぶ。プレーントゥよりドレッシーかつフォーマルさが増す。縫い目に飾りがある物をパンチドキャップトゥ(はカジュアルより)と呼びます。
黒の内羽根式ストレートチップはモーニングなどの昼の礼装に合わせる靴とされています。冠婚葬祭用に持っておくとべんりです。日本には昼と夜で靴を履き替える文化が無いですが、夜の礼装には内羽根式のプレーントゥを合わせるのが正式とされています。
外羽根式と違い紐を通す部分がアッパーと一体化しています。
羽根の開閉域が少ないのでフィット感の調整は外羽根式程柔軟に行えません。
しかし、開閉調整がしにくい分、履いているうちに革がなじんできてフィット感が出やすいです。
初めのうちは気持ちきつめの方が履きなれてからフィット感が出やすいです。
イギリス王室が発祥のため外羽根式よりもよりフォーマルな用途で使用されます。
フォーマル ☆☆☆☆☆ フォーマル度高い
着用時間 ☆☆☆☆ 長時間可
Uチップ/Vチップ

タンから伸びる革がU字、V字にモカシン縫いがされているタイプ。スワールモカシンとほとんどデザインは変わりませんが、こちらの方がカジュアルよりな位置ずけです。スーツスタイルにも合わせることができますし、カジュアルな服装にも合わせられるため2足目や3足目に持っておくと重宝します。
現在のビジネスマンも多くの方が利用していることからビジネス利用がNGという訳ではありません。
フォーマル ☆☆ カジュアルより
着用時間 ☆☆☆☆ 長時間可
スワールモカシン

縫い目が甲の前部に2本入っている構造の靴のことをさします。必ずしもモカシン縫いがされているわけではなく、ステッチやブローキングでもこの様な形状であればモカシンと呼ばれます。縦に入った2本のラインがスマートに見えるため日本でもビジネスマンの間で人気があります。
フォーマル ☆☆☆☆☆ フォーマル度高い
着用時間 ☆☆☆☆ 長時間可
ウィングチップ

逆M 字の穴飾りが左右まで伸びる。革靴全体に穴飾りをあしらった【フルプローグ】、ストレートチップに穴飾りとメダリオンをあしらった【セミプロ―グ】、ストレートチップに穴飾りを施した【クォータープローグ】、そして穴飾りがヒールまで1直線につながった【ロングウィングチップ】というように穴飾りの装飾の仕方で靴のタイプが異なります。
評価はフルプローグの場合
フォーマル ☆ カジュアル
着用時間 ☆☆☆☆ 長時間可
ホールカット

アッパーが1枚革で作られたスタイルで、ワンピースとも呼ばれる。
パーティーなどの装いに合わせることが多い。すっきりとしたスマートな見た目です。
靴の特徴上、飾りがないので木型の良しあしがダイレクトに表れるため、職人の革選びの技術と
腕が問われる靴です。
フォーマル ☆☆☆ 中間
着用時間 ☆☆☆ 長時間可
サイドレース

サイドにシューレスを通す切れ目が入っている個性的な見た目が特徴。
デザイン重視の使用ですが、モンクトラップの親戚?の様なイメージを個人的には感じます。
フォーマル ??? 不明
着用時間 ☆☆☆ 長時間可
スリッポン

紐や留め具が無く、脱ぎ履きが素早くできるのが特徴。
フォーマルなデザインも存在するが、基本的にはカジュアルな印象を持たれます。
黒色を選ぶことでフォーマルな場面でも使用できます。
フォーマル ☆☆☆ 中間
着用時間 ☆☆ 普通
サイドエラスティック

靴のサイドにゴムを織り込んだ布が取り付けられ伸縮性があるため、
靴を履いたり脱いだりすることが容易な実用的なタイプの靴。
日本では甲高の人でも使い易いためビジネス用のデザインも豊富に作られているので、
用途に応じて色々なシーンで使用することができます。
フォーマル ☆☆☆ 中間
着用時間 ☆☆ 普通
ビジネスシューズとして使い易いタイプは何?
オックスフォード
一般的に履かれる靴の中ではフォーマル度が高いと言われています。
ダークカラーはビジネスシーンでも使用できます。
フォーマル度が高い分かっちりしたイメージになりますので、法人営業や
接客業、冠婚葬祭などのシーンでの使用がオススメです。
カラーをライトな色合いにすれば、カジュアルなシーンでも使用できますので
かっちりしすぎたくない場合は色合いで変化をつけると良いです。
リーガル ゴアテックス
ケンフォード
ジョンロブ
ダービー
アッパーが外羽根式のシンプルなスタイルの靴全般をダービーと呼ぶことが多いです。
プレーントゥであればビジネスシーンからカジュアルシーンまで使用できます。
ウィングチップとライトカラーの組み合わせはカジュアル感が強くなりますので
対応するお客様によっては不快感を与えるかもしれませんのでビジネスでの使用は注意が必要です。
リーガル 外羽根
クロケット&ジョーンズ 外羽根ストレートチップ
アシックス 外羽根 ゴアテックス
ブローグ
計測ではほとんど履いている人がいなかったですね。
やはり、ブローグは基本的には穴飾りがついた見た目が華やかな靴ですので、ビジネスシーンでの使用は注意が必要の様です。しかしながら、ストレートチップに装飾が施された「セミブローグ」、セミブローグからトゥの穴飾りのメダリオンを除いた「クォーターブローグ」はビジネスシーンでも使用できます。
穴飾りが華やかなため使用するシーンや業界には注意が必要ですので、先輩方が履いている
革靴を参考にして穴飾りがある革靴を使用されている方が多ければ問題ないと思います。
クロケット&ジョーンズ ハンドグレード クォーターブローグ
チーニー クォーターブローグ
スコッチグレイン 外羽根パンチキャップトゥ
1足目ならラバーソールがオススメの理由
アシックス 内羽根式ストレートチップ ゴアテックス
もし、あなたが購入を検討している革靴が最初の1足目なら、ラバー(ゴム)ソールを選びましょう。
理由は①雨の日にも履ける ②お手入れが簡単 という2点です。
レザーソールで雨の日に長い間外を歩くと、かなりの量の水分を吸ってしまいます。
そのあとに、タイルの床の上などを歩くととても滑りやすく転倒の危険もありますし、
家に帰った後、入念に乾燥しないとカビの原因にもなります。
もし、仕事用に1足目革靴の購入を検討しているのであれば、雨の日に外を歩かなくてはならないシーンも出てきますのでラバーソールにすることをおすすめします。
レザーソールは2足目以降にしましょう。
下記の記事に、新品の革靴を買う前に揃えておきたいケア用品やお手入れのポイントを記載しております。
新品の内にお手入れを1度しておくと靴へのダメージを減らせますので履く前にぜひお読みください。

革靴に使用されるスムースレザーとは?

スムースレザーとは牛革の事です。シボ加工や起毛加工がされていない普通の革をスムースレザーといいます。基本的にビジネスシューズで使用する革靴はほとんどがスムースレザーで作られています。
カーフスキン 最高級の革
生後6か月以内の子牛の革の事をカーフスキンと呼びます。
日本ではキップスキンと区別することがありますが
欧米ではカーススキンとキップスキンを総称してカーフスキンと呼びます。
薄手できめが細かく滑らかな手触りが特徴です。
非常に上質な革
革靴としては一部の高級ブランドのアッパーとして使用されています。
ステアハイド 革靴の定番革
生後6か月までに去勢して育てられた2歳以上の雄牛の革です。
革に厚みがあり強度に優れ、カーフやキップには劣りますが表面のきめの細かさや
傷の少なさは比較的均一に揃っており、一枚の革から多くのパーツを取ることができるので
革靴用の革として重宝されています。
カウハイド 使用頻度は多くない
生後2年程度の子牛を生んだことのある雌牛の革です。
厚みとしなやかさがあり、品質は個体にもよりますがキップとステアハイドの間くらいの場合が多いです。
ステアハイドに比べ品質の均一さが落ちパーツを取れる場所が少ないためステアハイド程使用されていません。
ブルハイド 硬くてキズが多い
名前から想像できそうな呼び名ですが、生後3年以上の雄牛の革です。
革全体が大きく厚みもありますが、きめが粗く柔らかさに欠けます。
体表に多くキズがある場合が多く革靴用としては靴底用以外に使われることはほとんどないです。
まとめ
- 現在の主流はストレートチップ。
- ビジネス用の革靴は落ち着いたカラーの物を選びましょう。
- 最初の一足目は雨の日にも履けるラバーソールにしましょう。
- レザーソールで雨の日は靴も傷みますし、滑りやすいので危険です。
いかがでしたでしょうか?
これから仕事用で革靴の購入を検討している方の一助になれば幸いです。
値段はさておき、とてもカッコいいですし形に艶がありますよね!
それでは、皆様の今後のご活躍を心からお祈り申し上げます。